「News Diet」を読みました
最初に
スイスの実業家、作家のロルフ・ドベリ氏の本の紹介です。ロルフさんといえば、以下の2冊が日本でもベストセラーになっているので、ご存知の方も多いと思います。
人生を向上させてくれる本なので、一度手にとってみるといいでしょう。
脱線しますが、リンクを張っておきます。
今回紹介する本
今回紹介するのは「News Diet」と言う本です。
この本の概要
生活の中でやるべきことは、以下の2つの項目に分けられます。
- 自分の裁量で解決できる案件
- 自分の裁量では解決できない案件
1の案件の及ぶ範囲を「能力の輪」と言い、著者はこの能力の輪の範囲内にあることのみ、対応していこうと語っています。
能力の輪の範囲内にいる限り、自分らしく生きていくことができると。
Newsで報道される案件は、「能力の輪」の外にあることがほとんどです。
著者は2010年からNewsを見ない生活を送っています。
つまり、TVでNews番組を見ない、インターネットでもNewsを読まないなど、Newsとの付き合いを極限まで減らしています。
著者がNewsを見ていたときには、事象をあまり単純化するために、浅い思考になりがちでしたが、Newsを見ないことで、深い思考ができるようになったと周囲に語ります。
この経験から、著者はNewsを試聴しないことが、いかに生活の質をあげてくれるかをこの本で説いています。
また、Newsを視聴することの害を、リストアップして、これでもかと私たちに解説してくれます。
Newsを見ない場合、情報が手に入らないと主張する人がいるかもしれません。
そうなったとしても、本当に必要な情報は、自然に手に入ると著者は語ります。
そして、Newsの9割がゴミ情報で、価値のある情報はほとんど語られないとも。
例えば、天然痘の撲滅をしたドナルド・ヘンダーソンの話が取り上げられることがなかったとか、2001年の同時多発テロ防止のための施策が事前に取り上げられなかったことなどを教えてくれています。
Newsを見ないことは、最初は非常に辛い体験になるかもしれないが、より良い生活を築いてくれる習慣になると主張します。
本の感想
我が家では、ながらでNews番組を視聴しています。
著者の言うようにメディアの影響を受けたためか、物覚えが悪くなっているように感じています。
ただ、どちらかといえば、Newsというよりも、インターネットメディアの視聴が大きな影響を与えているように思えます。
この本で軽く触れられていますが、インターネットメディアではハイパーリンクという機能が備わっています。
ハイパーリンクは、これをクリックすることで他のメディアを参照できる機能です。
実はメディア内でハイパーリンクをどうするかを判断するのに、大きなエネルギーを使用しているとのこと。
最近、切り抜きの文章を読むために、長文が読めない、かつ真実を理解できないという傾向を強く意識するようになったので、今後はインターネットメディアを参照する時間を削減して、紙の本を読む習慣を大事にしていきます。
「NOKIA復活の軌跡」を読みました
今回、取り上げる本はこの本。NOKIA復活の軌跡です。
みなさんはNOKIAという携帯電話メーカーがあったことをご存知でしょうか?
私は実機を見たのは、友達が所有していたのを見せてもらっただけだけど。
一昔前には、爆発的な売り上げを誇っていたメーカーだ。
実は、過去に私が勤務している会社からも、部品を大量に購入してもらっていた時期がありました。
当時の担当者がNOKIAさんの質と量の要求に対応するのに苦慮していましたね。
なつかしい思い出です。
主人公は著者であり、現NOKIA会長のリストさん。
リストさんがNOKIAに見初められ、彼がNOKIAの取締役になることから物語は始まります。
そのNOKIAはやがてAppleのiPhoneやGoogleのアンドロイドに苦しめられるようになります。
この本では、第一部で転落していく様子を描き、後半の第二部では、リスト会長によるM&Aやリストラによる再建で新生NOKIAが立ち上がっていく様子が描かれています。
リスト会長がNOKIA取締役時代に経験したNOKIAの大企業病は恐るべきものでした。
よかれと思って指摘した内容が放置されるのは当たり前。
楽観的なシナリオばかりが取締役会で報告されるが、実現できない。
そんな状況でどんどん悪くなってしまった。
なぜ、転落を回避できなかったのか?当時のNOKIAは好調で、生まれてきたライバルを無視していた。
つまり、自社の製品に対してのリファレンスを見出していなかった。
そのリファレンスはのちにiPhoneだったり、アンドロイドスマホだったりするのですが。
現れた当時は性能が低いからとバカにして、まともに対策をとろうとしていなかった。
気が付いたのときは、NOKIAの携帯の悪い個所を根本的になくしたスマホを競合は開発していた。NOKIAの売り上げが二度と回復しないループに陥ってしまった。
読みながら感じたこととして、企業生命の保持のためには、常にリファレンスとなる存在は何者か?を考えて、ベンチマークをしていくということが、カギとなるように感じた。
競合の後発の製品には以前の自社製品よりもかならずいい点があると思ってみる必要があるということ。
前半は暗い話ばかりで投げ出しそうになるが、第二部は本当に楽しいので、頑張って読み続けてほしい。
とくに、M&A案件を立て続けに3件処理するのは、非常におもしろくよませてもらった。
リストさんが会長になってから、ある出来事に対して、そこから派生するシナリオが何か?ということを検討する習慣を社員に身に着けさせていく。
これが、後半の展開に大きな影響を与えているように感じた。
物語としては不採算事業の売却、そして残った価値ある事業の強化に奔走して、NOKIAをユニークな企業として育て上げていくことに。
面白かったです。最後にリストさんの言葉で印象に残ったことを書いておきます。
WHATではなくWHYを探るということ。
よく何かをやるというのはみんなやるのですが、なぜやるのかを明確にしていない人が多すぎるということでした。結果として意図しないことをしている可能性あり。
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今回の本、大作であり、読みごたえがありました。
著者のリスト・̪̪シスラマさん、翻訳者の渡部典子さん、扉デザインの小口翔平さん、岩永果穂さん、早川書房の皆様、出版ありがとうございました。
はじめに
数年前にnishiikatsumi's diaryでビジネス本の書評を書いていました。
当時は楽しかったのですが、義務感を感じるようになってから投稿が遠のき、
あまり読者に価値のある記事が提供できていなかった。
その間、いろんな出来事を投稿してみたのですが、どれもパッとしない。
やはり、読書感想文しかないのかなと思いなおしました。
再度、休日に更新で、書評ブログを復活させようと思って作ったサイトがこちらです。
今は、まだ投稿していないので、記事はないですが、後日アップしていく予定です。